事業仕分けについて
印刷用ページを表示する 掲載日:2009年12月22日更新
事業仕分けとは、国や自治体が行っている事業を予算項目毎に担当職員と評定者が議論して、最終的に不要かどうか、実施するならば「民間」「行政」のいずれが適当かを仕分けていく作業でございます。国の行政刷新会議の作業グループは、次年度予算の無駄を洗い出すため、9日間で447事業を対象に「事業仕分け」を実施しました。必要性や緊急性に乏しい事業の廃止や予算削減、公益法人などの基金返納による「仕分け効果」は約1兆6千億円といわれております。一方で、「そもそも削減目標は設定すべきでない」、「財務省主計局の主導となっている」、「1時間の議論で結論を導き出すのは乱暴である」、「はじめから結論ありきではないか」といった課題が指摘されており、地方の実情や現場の実態を把握しないまま判定されたであろう事業も散見されることから、納得のいかない面もございます。ただ、政府の事業の実態や査定の様子が広く公開された意義は画期的ともいえ、本市行政において、この「事業仕分け」という手法から考えられることは、「適切な行政経営の推進」、「行政経営の透明性の向上」にどう取り組んでいるか、という点であろうと思っております。まず、「適切な行政経営の推進」でございます。本市においては、東広島圏域新市建設計画を受け継ぐものとして第4次東広島市総合計画を策定し、基本計画に掲げる施策を計画的かつ効率的に実施していくために、毎年度、次年度の予算編成の前に政策調整作業を行っております。この作業により、中・長期的な財政見通しや事業の必要性、緊急性、効果等の検討を踏まえた上で、「選択と集中」の視点により、随時、事業規模の縮小や実施内容・時期の見直し等を実施し、調整を図って参りました。社会経済状況の変動に応じて毎年度見直し作業を実施し、近年、平成の大合併、小泉政権下における三位一体改革、リーマンショックに端を発した世界的な景気後退など、地方財政を取り巻く環境が激変する中においても、本市財政の健全性を維持している状況でございます。次に「行政経営の透明性の向上」についてでございます。今日、多くの自治体で、施策あるいは事務事業ごとの成果を判断する手法として、行政評価制度を導入し、目標または業績を数値であらわした指標を設定し、公表しております。本市においても行政評価システムを導入し、平成21年度決算からは総合計画実施計画に掲載された約300事業について、事業の活動結果や成果などの実績、サービスの有効性、効率性、必要性等に係る本市の認識を記載した報告書を決算附属書類として作成し、議会に示した上で、市民に対してもホームページ等で公表する予定としているところでございます。なお、総務省の「平成21年度地方公共団体における行政評価の取組状況」によると、約1,800の市区町村中、行政評価導入団体数は799団体(44.1%)となっております。ただし、評価内容を議会に資料として配布している団体数は204団体(11.3%)に留まっている状況でございます。このことから、次年度実施予定としている当該報告書の作成及び公表については、透明性の向上に係る先進的な取り組みだと認識しております。本市におきましては、公開型の行政評価システムの運用によって、事務事業に係る情報を議会・市民と共有することになり、行政評価システムの熟度を高めることで、行政経営の透明性の向上、政策形成に係る議論の活性化が図られることから、現時点でも事業仕分けと類似性の高い取り組みを推進していると考えております。今後は、国や都道府県等において実施される事業仕分けの結果がどのようなプロセスを経て予算反映されるのか等を注視し、事業仕分けの有効性を踏まえた上で、当該手法の調査・検討を進めて参りたいと思います。いずれにせよ、様々な行政課題に対応するため、まちづくりの在り方についても更なる抜本的な対策が求められている中、経営体としての成熟度を高めるための行政改革、地域のあり方を根本的に見直すための市民協働の推進は、より必要性を増すことになり、行財政の活性化そして地域の活性化を推進するため、これらの施策を重点的に進めていく所存でございます。 次に、仕分け結果に対する今後の対応についてでございます。事業仕分けにより、予算縮減、予算計上見送り、見直しなどと評価されたものの中には、「安全・安心i-city推進事業」や「まちづくり交付金事業」など、本市が現在、取り組み、また、今後も推進していこうとしている事業が含まれておりますが、現時点では、事業仕分けの結果がどのように国の予算編成に反映され、具体的に本市の予算へどの程度影響するのか、定かではありません。一方、事業仕分けの作業以外にも、国においては平成22年度予算の編成に向けて、税制改正や新規事業の制度について議論がなされており、改正内容や制度設計次第では、新たな地方財政負担が生じるおそれがあるのではないかと懸念いたしております。 したがいまして、今後の国の動向を注視していくとともに、事業の見直しや制度改正に伴う必要な財源については、安易に地方へ負担を転嫁することなく、国の責任でもって財源を確保するよう、今後速やかに、様々な機会を通じまして、国へ働きかけて参りたいと考えております。